WEBをご覧いただき用友の導入や開発に関するお打ち合わせを進める中で、初対面であり関係性が構築されない中、お客様の中国の社内状況やスタッフ動向の部分で踏み込んだ話をし難い場合も多々あります。

弊社を選択肢の一つとしてお声掛け頂いくことは大変ありがたいのですが、日本側のお客様が中国国内のビジネス事情、自社の子会社である中国現地法人の状況に明るくないため、商談を進める上で「非常に危険」と思ってしまう場合があります。

今回は弊社の問い合わせ時に数回ほど起きている事象を中心に、商談を進める場合の中国独自の注意点をご紹介したいと思います。弊社に限ってと思われる内容もありますが参照いただけると有り難いです。

現地の中国人スタッフによる現地企業の斡旋&紹介

弊社と日本側の問い合わせ先の企業様と商談を進めていく中で、企業様が弊社とは別の現地にある他社を比較対象として選択肢に追加される事があります。

見積もりやサービス内容の比較として相見積もり先が増える点は何ら問題がなく、健全な進め方と思うのですが、問題は他社をどのように選択肢に入れたのか、その背景についてです。

日本側の窓口の方に事情を伺うと「現地スタッフが見つけてきた企業」、踏み込んで聞くと「現地スタッフの知り合い、友人が勤める企業」という場合があります。

いずれの場合も現地企業と現地スタッフが懇意にしている点が問題になっていきます。

プロジェクト締結後の追加見積もりの問題

弊社側の見積価格が現地スタッフ経由で現地企業に横流しされ、弊社より下回る見積額を日本側に提出する場合があります。

見積額が弊社より下回る点も、何ら問題はないのですが、他社の現地法人と契約を締結した後に発生する費用が問題になっていきます。

現地法人=中国企業は仕事を是が非でも受注するために、初回は非常に安価な価格帯を提示しプロジェクトの締結を図ります。その後、協業先が入り込めない囲い込みが完了した状況から、徐々に高額な見積もり提示をしてくる場合があり、相見積もり先の選定も注意が必要です。

また現地企業側から現地スタッフに対して「紹介料」を渡している可能性が非常に高く、追加見積額が高くなる傾向があります。

自社の現地スタッフを信用するのは大切な点ですが、極力日本側の指示に従う企業を排除し中国側で事を完結させたい、自身がうまい汁を吸う環境を構築させたいという思惑が払拭できません。

弊社もお問い合わせを進める中で、現地企業に訪問して現地スタッフとお話をさせて頂く機会もありますが、日本側が考える懸念点や問題点に対して歯切れの悪い回答、論点をずらしてはぐらかす回答をされる場合は、他社と懇意にしている、日本側の指示のもと訪問した弊社と極力会話をしたくない等の状況が考えられ、企業採用は日本側主導で検討する方が導入後の不正防止に有効かと考えています。

このような件は日本では起きにくく、証拠や裏取りが難しい話やお客様の現地スタッフを疑った方がよいと言う話を初対面に近い企業様にお伝えするのは失礼にあたる点、また他社様の話を交えて遠回しに話した場合も「弊社は大丈夫です」と、性善説を中心に回答されるため、弊社としても商談を進める上でも情報共有が難しい中国の特殊な事情となっています。

現地企業の財務スタッフからのデータ提供問題

用友の仕訳データを日本側から直接参照したいというご要望の場合は、弊社の用友データ参照アプリ「看看」をご紹介するのですが、こちらの商談でも「大丈夫かな」と頭をよぎる場合があります。

用友の仕訳データを弊社の「看看」で直接参照できるメリットは、中国の財務スタッフへ依頼不要で、日本側の好きなタイミングで、過去を含めた全ての仕訳データを直接日本側が参照&出力できる点です。

何を申したいかと言うと、中国側が介在せずデータ参照できる環境を構築する点が重要なのです。

中国財務側に主導権を握らせない点がポイントなのですが、お客様によっては「看看」を導入せずに中国側でデータ出力し、出力データを日本側に提出させる運用でもよいと相談を受けるのですが、中国側でデータ加工が出来るチャンスを残してしまうと、取引先の名称や金額を改ざんしてデータを日本側に提出する危険性が残ってしまいます。

日本だと「まさか行わないだろう」と言う事を行うのが中国です。

そのため中国人の言い訳や逃げ道、改ざん時間を極力排除させるために、「看看」をご利用いただきたいのですが、現地側の不正のチャンスを潰す点をお伝えすると「弊社ではそんな事はあり得ません」と、この場合も性善説で話をされるため、これ以上は商談が進まない案件が偶にございます。

私を含めた「弊社の営業努力が足りない」と言ってしまえばそれまでなのですが、初対面に近いお客様に「貴社の現地側の対応を疑ってかかってください」とは、なかなか言いにくいのが本音な部分です。

そのため用友に関する案件を検討される場合は、「用友導入」「不正の抑止」「財務効率化」「財務以外の業務改善」など、そもそもの目的を達成するために、どのような環境が最適なのか、極力人が介在する環境を排除し、システムによる自動化、データ加工を伴わない生データを日本側が確認できる運用なのか等、改めて社内での目的と不正の芽を潰した導入をご検討いただければと思っております。

記事のまとめ

今回ご紹介した2つの事象は、お問い合わせをされる企業様に合致する点が多々あるため、記事としてご紹介してみました。

弊社とのご縁もありますし、ご予算もあるかと思います。弊社は是が非でも仕事を受注したいと言う事ではなく、他社を選択して頂く場合にも、ご紹介したような点をご注意いただかないと、現場の不正の抑止に繋がらない点、不正を助長しかねない点、導入後に余計な費用が発生する点など本来の目的を逸脱する恐れがあるため今まで起きた事例をご紹介しました。

自社スタッフを信じたい気持ちは私も日本人のため、理解できるのですが、日本と中国はビジネスに対しての考え方、会社への忠誠心などは全く違うので、弊社へお問い合わせの際は中国状況もご理解の上、お問い合わせ頂ければと思います。

中国で起きる不正に関する記事も税理士様に執筆して頂いていますので、ご興味のある方は「コチラ」からご覧ください。

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