中国でよくある不正の実情や中国のビジネス事情について国際経験豊富な有限会社ナレッジネットワークの公認会計士、中田清穂氏に寄稿いただきました。

今回は中国現地法人で日本人が行う不正について。中国なので中国人の不正が起きると思われがちですが、実は日本人の行動が起因し中国人の心象や行動を悪くし中国人の不正が始まる場合もあるようです。

公私の判断ができない日本人駐在員が起こす過ち

日本企業の中国への進出が活発になっていた頃には、私的なゴルフ、飲食、旅行などの費用を、会社の費用として処理する事例は非常に多くあり、今でも以前よりは少なくなったとはいえ、まだまだ少なくないようです。

この事案で私が最も強い関心を持ったのは、現地の中国人スタッフへの影響です。

日本人の悪習が引き起こす現地中国人スタッフへの影響

このような日本人駐在員(場合によっては総経理)の「悪習」は、本人が日本に帰任した後、代わりに着任する日本人も当たり前のように「悪習」を引き継ぐことが多いからです。

そうすると、現地の中国人スタッフの不公平感や不満を生み出し、日本人が現地中国人スタッフの悪い「お手本」となるなど、モラルの低下につながるでしょう。

中国子会社での不正の原因を、日本人が創り出しているということになるのです。

中国子会社の仕訳データのチェックは日本人の経費処理もポイント

中国子会社の仕訳データを直接見る際には、まず、日本人の総経理や駐在員の経費処理がきちんと適切に行われているかどうかを確認することも、重要なポイントになるでしょう。

このような日本人による「悪習」を防止・確認するために現地中国法人の財務処理内の日本人の「悪習」部分を、中国人スタッフが遠慮して日本側へ報告を行いにくい事もあるかと思います。

そのような「悪習」に関する点を「看看」を活用して、日本側から直接仕訳確認を行い、「悪習」に繋がるような点が無いかを、定期的に「総勘定元帳」の確認し経費処理が適切に行われているか調査が可能です。

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